「心地を描いて形を作る」 「Seat Design for Ridung Pleasure」

 

 TEL.03-3959-9648 〒174-0074 東京都板橋区東新町1-38-16


: トップページ : コンセプト : 会社案内 : スタッフ紹介 : アクセス : コラム : 商品紹介 : ブログ : 料金 : お問い合わせ :

: よくある質問 : メディア : 特定商取引 : 


 シート加工紹介 BMW R1200GS (空冷) 四方山話




GSシリーズは世界で最も売れいる大型二輪車であります。
大変優秀なオートバイなのは誰もが認め世界基準となる「GS」という信頼のクオリティーであることも事実です。
こちらのサイトに到着した方々は、更なる高みを得たい方々に向けて情報を提供できればと思い執筆しております。



今回はR1200GS(空冷)シリーズ シート加工の要点をまとめてみました。

「アンコ抜き」「シートの最適化」「シートの調整」等いろいろな呼び方をされていますが、弊社概念「心地を描いて形を作る」に沿って説明します。



* 足つきを良くする。 お尻の痛みを軽減する。

この二つはかなり重要です。



オートバイ(GS)は、同じでも
オーナー様の身長と体重が異なるので、
シート(スポンジ)形状は、オーナー様の体格によっておおよそ限定されてしまいます。
シートを加工するのであれば、乗り心地は犠牲にしたくありません。
では、どのシートを選んでどのように加工するのが最善であるかが知りたいところです。


BMW純正シート種類を把握しておかなければ話が進みません。



1、BMW純正ローシート(2段階調整無し)

(新車ローダウン仕様GSに標準装備品)(2005年ぐらいに何故か廃盤になったが現在復活し購入できます)



2、BMW純正初期ノーマルシート(2004年から2007年まで2段階調整有り)

(新車GSに標準装備品 「前下がり」が特徴)



3、BMW純正後期ノーマルシート(2008年から2011年2段階調整有り)

(新車GSに標準装備 「前下がり」が解消されたマイナーチェンジ品)



4、BMW純正アドベンチャーシート(2006年から2011年2段階調製有り)

(新車GSADVに標準装備品 ハイシートの高さ 二色の表皮が特徴)



5、BMW純正ハイシート(2004年から2011年2段階調製有り)

(海外では標準品扱いになっているらしいです。日本では部品として流通)



このように5種類おぼえていただければおおよそ宜しいかと思います。



シート(サドル)加工する上で基本となってしまうのが
サドルフレーム(シートベース)部分(プラスチックの土台部分)サドルフレームが良ければ
すべてうまく行くのがシートの世界です。



GSシリーズは
2種類のサドルフレームから上記5種類がラインナップされているのですが、
純正ローシートだけがサドルフレームが専用で後はすべて互換性があります。
(純正ローシートはサドルフレームと車体フレーム部分の隙間をほとんどなくし、車体フレームに沿わせるようにできています。)



純正ノーマルシート(説明が長くなるので純正ローシート以外とします)は、
2段階調製ができ車体フレームとサドルフレームの隙間はかなりあいています。
サドルフレームの良し悪しとして、純正ローシートのフレームは良くできています。(小物入れも使えます。)
純正ノーマルシートは大柄な方を対象としたら非の打ち所がありません。
大変優秀です。



サドルフレームはスポンジに負荷が掛かった時支えるところ、
スポンジが最大限負荷が掛かった時「底着き」した場合「ゼロ基準」になる地点であることも覚えて置いてください。
サドルフレームの「高さ」や「幅」が「ゼロ基準値」になるので「底着き」した時、
スポンジの形状はどのようになるかを逆算できれば、
シートの形状やスペックを語ることができるではないでしょうか。
(物事の判断はこういう場合のときだけ経験が勝ります。)



スポンジの構造を詳しく見てゆくとすべて良質のポリウレタンフォームですが、
硬く感じる純正ローシート。
柔らかく感じるのが純正ノーマルシート。
ここで差が出てきたことにお気つきになられたこととおもいます。



考え方なのですが、、、。
純正ローシートは「シート高」に拘りを絞り、
「低くても良いものを」とメーカー側は考えてのことだと思いますが
日本ではあまり受け入れられなかったことと記憶しております。
サスペンションと同じように考えて欲しいのですがスポンジのストローク量が長ければ自由度が増えますし、
短ければ制約が多すぎうまく行かないことが多いのも事実です。



ローシートはスポンジストローク量を減らししすぎたため、
しっかりしたスポンジを使おうということになったのですが、
エンドユーザーである方々のデータも無く自分たちと同じ尺度で考えるあまり
「低くても底着き」をしない高密度のスポンジを使い、
それが仇となり硬いと感じてしまうスポンジになったのではないでしょうか。



またスポンジストロークが少ないから着座面積を広くしようとした結果、
あのような高さは低いが足着きがノーマルシートとさして変わらない部品が
出来上がったのではないかと思います。
その結果、日本のディーラーから部品を交換しても効果が得られにくい商品として
一時期閉鎖されていたのが事実です。
でも今はGSの人気が高すぎてやむ終えず部品販売しているのではないかなと思います。
「心地を描く」ことがうまくいかなかった例と思われます。



次にノーマルシートについてですが、
柔らかく感じるシートと思われますが非常に良くできておりバランスが取れています。
高密度のポリウレタンフォームでありながら
「しなやかさ」「やわらかさ」「しっとり感」「適度な反発力」を持ち合わせる最高の素材だと思います。



以前まででしたら2000年ぐらいのFLH(HD社)のスポンジが良いなと思っていたのですが、
近年のGS・GSADVはFLHとは比べ物のならないぐらい良質です。
日本人の体系でしたら60kgから80kgぐらいがおおよその範囲なので、
このGSのポリウレタンフォームのセッティングはまさに神業といえます。
このような良質なものを使用してもスポンジの形状が日本人の体型に合わないこともあります。



2004年発売当初のR1200GSは日本的に見ればビックオフローダーとういカテゴリに属しますが、
ビックオフローダーはツーリングに使うのが日本の慣わしみたいなもので、
長時間乗ることがしづらかったスポンジ形状でした。
純正初期ノーマルシートは小柄な日本人にはハンドル幅と座る位置がしっくりこなかったことが、
後のBMW純正後期ノーマルシートにつながります。
「心地を描いて形を作る」の「形を作る」ことがうまくいかなかった例と思われます。



BMW純正アドベンチャーシート・BMW純正ハイシートについては、
本国で使われているものが日本に入っているだけなので評価するのは無意味な気がしますが、
あえているなら、
体格の大きい方でGSを乗る方はモタードバイクのようなライディングフォームで運転するのが常識です。
純正ハイシート系(GSADVシート・ハイシート)の形状は非常に合理的です。

ここまでで各純正シートの特性が見えてきました。







ここから皆様方の知りたいシート加工の情報になります。



身長が168cmぐらいの方ならどのようなパターンでも、
GSにハンドルライザー(ハンドルを手前に移動できる部品)を装着して欲しいのです。
GSの車格に対して運転者が小柄に感じるので、
相対的にハンドル幅が広ければ腕の開脚角度が増え
座席前方部分にしか座ることができず操作する感覚が阻害されてしまうと考えるからです。



身長178cmぐらいの方なら好みの問題です。(車体をコンパクトに感じたい方はつければいいとおもいます。)

シート(サドル)に関しては身長165cmぐらいまでの方なら迷わず
「河名製プレステージR-GSF」をお買い求めください。
(コマーシャルを入れてます 申し訳ありません、、、)




<シート加工に関して>

*BMW純正ローシート(2段階調整無し)-「アンコ抜き加工」は施さない方が良いと思われます。

サドルフレームは良いのですがスポンジの質と形が加工したとしても
良い方向になりにくく、加工料金を支払うのが悔やまれると思います。



*BMW純正ローシート(2段階調整無し)-「前下がりをなおしポジションの最適化加工」は的を得た加工です

おおよそ15mmぐらい「シート高」が上がりますが加工前より足つきは良くなります。
(ツーリング性能と足つきはプレステージR-GSFの方が格段に上です)



*BMW純正ローシート(2段階調整無し)-「ハイシート加工」はGSノーマルシート並みに「シート高」を上げる加工。

意味が無いのでGSノーマルシートをお使いください。



*BMW純正初期ノーマルシート-「アンコ抜き加工」

足つきを良くすることと「前下がり」をなおすことは同時に行いたいのですが、
スポンジ形状が傾きすぎているので修正するには一部スポンジを盛り上げ調製しなくてはならないので、
加工料金が大幅に割高になってしまいます。
初期のシートをお使いの方はそろそろ座席スポンジ部分がくたびれている可能性もあるので、
後期型のシートに部品交換をした方が総合的に宜しいかと思われます。



*BMW純正初期ノーマルシート-「ハイシート加工」

体格が大きな方やお尻が敏感な方であればシート加工は意味がありますが、
その他はBMW純正ハイシートを購入することをお勧めいたします。



*BMW純正後期ノーマルシート-「アンコ抜き加工」は非常に的を得ています。

スポンジの質感と形状はそのままでもよくできている方なので166cmぐらい身長があれば
おおよそ満足していただけるレベルまで加工できます。
スポンジのストローク量と足を出した時の心地よさ巡航時の快適性を高次元で調和いたします。



*BMW純正後期ノーマルシート-「ハイシート加工」

大柄な方なら的を得ています。ご相談ください。



現在の状況でシート(サドル)を構成する部分を細かく見てきましたが、
純正のサドルフレームと良質ポリウレタンフォームを見極めて
オーナー様と愛車GSの調和をとることが出来ると思われます。


文字だけでは わかりにくいかと思われますので 気軽に連絡をください。


よろしくお願い申しあげます。



河名シート製作所
 サドルコンサルタント
        小野寺誠